第2回Reponサロンは、「市民、企業、サイエンス」というタイトルでRepon理事の福島氏に話題提供いただきました。氏はIT企業を経営しつつ、国・自治体のIT普及やアドバイザー、またシビックテック法人の運営に携わられています。これらの活動は「市民中心の社会構築のためのテクノロジー」を軸としており、Reponが関係する未活用学術資源への関心も同一軸上にあるとのこと。サロンでは、福島氏がこれまでに開発された観光、救急医療、防災関連のアプリなどの紹介の後、市民や企業が行う学術活動として、ウィキペディアタウン、オープンストリートマップ、Code for Kanazawaなどのシビックテックの取り組みをあげて、コミュニティや組織の運営実態や関与者の動機についての分析を交えつつお話しいただきました。各活動を牽引するメンバーに対しての権限付与や活動(量)の可視化が、モチベーション維持に好影響を与えていることがコミュニティ運営の具体的なノウハウとして示されました。さらにサロン後半では、多様性、インフラとして考える(コンテンツや成果物のみを目標に置かないということでしょうか)、コミュニティが大切、自分ごとにすること、の4点がシビックテックに絶対必要なこととして示されました。「自分ごとにすること」の考え方の例として、単に活動を楽しむだけでなく、ペイフォワードや自分が解決したい自分情熱課題などの考え方があるとのこと。Reponでも持続的活動のために、シビックテックの基本的かつ本質的な考え方、あるいはその設定の仕方を活動全体の参考にしつつ、Repon参加者にどのように自分ごととして考えていただくかを各企画レベルにおいても織り込んでいくことが必要だと感じました。最後にシカゴの社会課題に取り組むエコシステムの事例(行政と企業、そして市民参画のハブになる非営利組織スマートシカゴ)について紹介いただきました。活動領域は異なりますが、Reponも学術資源に関するエコシステムの中で機能するよう、広い視点で考えていく必要があります。(山下俊介)